研究奨励賞授賞候補者選考委員会は、推薦のあった3名の候補者の研究業績について慎重に審査し、授賞候補者を選考しました。その結果をふまえ、理事会において、次の2 名の会員に第2回日本島嶼学会研究奨励賞を授与することを決定し、2015年9月5日の奥尻大会での授賞式において、長嶋会長よりおふたりに賞状と副賞を授与しました。
研究奨励賞授賞候補者選考委員会
委員長 可知 直毅
【研究奨励賞授賞者】(表記は五十音順)
・遠部 慎 会員
(総合地球環境学研究所・プロジェクト研究員)
・深見 聡 会員
(長崎大学環境科学部・准教授)
【選考委員】
・委員長 可知直毅(学会賞担当理事)
・副委員長 中俣 均(島嶼研究前編集委員長)
・委員 立石雅昭(副会長)
・委員 小西潤子(理事)
・委員 稲田道彦(島嶼研究編集員長)
【選考経過】
3月15日 学会HPおよびニュースレターに応募要領公示
3月15日〜5月31日 推薦受付
6月4日 〜6月19日 選考委員会にて授賞候補者選考
6月21日〜6月27日 理事会MLにて授賞候補者の予備審議
9月4日 理事会で授賞者を正式決定
9月5日 奥尻大会において授賞式
【授賞理由】
遠部 慎 会員
遠部 慎会員は、瀬戸内海島嶼の縄文海進期の考古学的研究という島嶼学の重要なテーマに挑み続けてきました。特に、パブリックアーケオロジーによる発掘調査や持続可能な遺跡保護を実践的に行う中で、岡山県最古の人骨を発見した点、豊島における研究成果を積極的に地元に還元してきた点が高く評価されます。今後、島嶼学と本学会をリードする研究者として、島の文化遺産の再評価に繋がる研究の深化を期待します。
深見 聡 会員
深見 聡会員は、ジオツーリズムの考え方を取り入れた、小規模島嶼における地域の発展に貢献する研究を精力的に推進してきました。特に、地域住民と自治体、観光客の意識を相対化して把握し考察するという実証的な研究手法が、高く評価されます。本学会をはじめとする国内外の学会での発表、論文や著書の執筆により積極的に研究成果を発信してきた点も評価されます。今後、島嶼学と本学会をリードする研究者として、島嶼におけるジオパークの役割と課題の研究の深化を期待します。