2020年12月17日
日本島嶼学会 会長メッセージ
日本島嶼学会は、日本学術会議会員の任命にかかわる問題に対して、日本学術会議協力学術研究団体として、日本国憲法第23条で示された「学問の自由」に則った対応がなされることを強く希望します。
日本島嶼学会 会長 可知 直毅
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「第3回 島の医療を考える研究会」(09/19オンライン開催)のお知らせ *0915ZOOMアドレス変更
「島の医療を考える研究会」は、島の医療体制づくりという日本の島々の長年の命題に応えるため、2019年1月から島の医療に関する知見を集めることを目的に活動を開始いたしました。未知なる感染症の影響が国内の島々に及んでいる現状下、島の医療について現場の視点から整理し、そこでの課題を捉えていくことが急がれます。第3回は島々の感染症への対応についてご講演いただき議論していきます。ご案内の詳細はPDFにて御確認くださいますよう。
*オンライン参加用zoomアドレスが変更になりました。詳しくはチラシPDF(0915改訂版)をご覧ください。
日時:9月19日(土)13:30~16:30
第1部 島々のコロナウイルス感染症への対応
テーマ:「離島におけるコロナ対策(仮)」
講師:自治医科大学 看護学部
青木 さぎ里 氏
※質疑応答を行います。
第2部 全体議論
●「離島医療施策の経緯」
●第1回:ボトムアップによる初期対応
●第2回:医療資源の偏在、遠隔診断(5G)の導入、島医者の育成
第7回(2020年度)日本島嶼学会賞選考経過報告
2020年9月5日
第7回日本島嶼学会賞選考経過報告
日本島嶼学会賞選考委員会は、推薦された研究奨励賞部門1名、栄誉賞部門1名の研究業績等について慎重に審査し、それぞれの当該者を授賞候補者として選考したことを報告いたします。なお、今回は各賞の授賞候補者が1名ずつに限られていましたが、規則にのっとり厳正な評価を行ったところ、この結果に至ったことを付け加えておきます。
日本島嶼学会賞選考委員会
委員長 小西 潤子
【研究奨励賞部門 授賞者】
森 隆子 鹿児島大学 医学部保健学科看護学専攻 助教
【授賞理由】
島嶼部における看護職のあり方について、住民と「複合的な関係性を公私にわたって結ぶ」という関係性に注目し、長年に渡り60以上の島嶼地域でフィールドワークを行い、批判的あるいは内省的な視点も交えながら現状を分析し、実践モデルを構築してきたこと、学生教育にも熱心に取り組み、看護職の育成を通じて地域社会に貢献してきたことは、高く評価できる。年次大会に毎回参加し活発に発表していることに加えて、科学研究費を取得して研究に取り組んでいることから、専門分野においても一定の評価を得ていると判断できる。今後、より丁寧な理論的な裏付けや分析を行うことで研究の発展が期待できることから、本賞を授与するにふさわしいと判断する。
【栄誉賞部門 授賞者】
嘉数 啓
【授賞理由】
日本島嶼学会を設立した発起人の1人として、経済学を基盤としながらも関連諸分野を学際的・職際的な見地から統合して島嶼学の理論的枠組みを構築したこと、またそれら一連の業績を国内外に広く公表することによって学会の発展に大きく貢献してきたことが高く評価できることから、日本島嶼学会栄誉賞授賞にふさわしいと判断する。
【選考委員】
・委員長 小西潤子(副会長)
・委員 須山 聡(理事/『島嶼研究』編集委員長)
・委員 村上和弘(理事)
・委員 藤田陽子(理事)
【選考経過】
2月27日 学会HPにて応募要領公示。ニュースレターに応募要領掲載
2月15日~5月20日 推薦受付
5月20日~6月30日 選考委員会にて授賞候補者選考
6月30日~7月3日 理事会MLにて選考結果回覧
7月4日 理事会で授賞者決定
7月5日 授賞予定者に内報
9月5日 総会会場(東京都立大学)において授賞式
以上
「特別功労者」称号を4名の方々に授与しました(2020.09.05付)
日本島嶼学会では下記の方々に「特別功労者」の称号を授与いたしました。
1.故 山階芳正 氏 【元 名誉会長】
2.故 竹内啓一 氏 【元 会長】
3.嘉数 啓 氏 【名誉会長】
4.鈴木勇次 氏 【元 名誉会長】
(以上、2020.09.05付)
「島」にかかわるみなさんへ
「島」にかかわるみなさんへ
7月22日からGo Toトラベルキャンペーンが始まり、島に新たな活気がもたらされるかと思った矢先、新潟県佐渡島・鹿児島県与論島・長崎県五島列島・香川県小豆島でもCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染者が見つかりました。感染された方々に心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早い回復をお祈りいたします。
感染が地方、さらには島嶼地域においても広がっています。日本島嶼学会は、現今の感染の広がりを、この春の感染拡大を上回る「島の危機」ととらえています。事態はきわめて深刻です。このまま感染が拡大すると、経済のみならず、医療をはじめとする島の全機能が麻痺し、島の地域社会が崩壊します。
来島を予定されているみなさんには、事前の検温と体調管理をお願いします。体調が優れない時には、来島を思いとどまることも必要です。来島時には各島の行政・地域団体の要請にご協力ください。また、「ふるさと納税」やネットでの特産物購入、島でお世話になった方々への手紙などは、島のみなさんを大いに力づけます。
「島の危機」の回避のため、島のみなさんに以下の提案とお願いがあります。
- 島内へのウイルス侵入を防ぐためには、一にも二にも感染者を島に入れない方策を確立する必要があります。行政および港湾・空港管理者,航路事業者には、来島者の検温・PCR検査・抗原検査など、できうる限りの水際対策の導入を、島の実情に合わせて、早急にご検討ください。来島者のみなさんには検査へのご協力をお願い申し上げます。
- 離島を有する市区町村長には、島での感染拡大が現実のものとなった場合、島内の医療・保健体制などが整うまで、短期間の緊急避難的な来島自粛要請の発出を検討されるよう、強く希望します。島民の感染防止はもとより,来島者がいま島で発症すれば、健康的で明るい島のイメージを、将来にわたり大きく損ないます。
- 住民のみなさん、島内で感染者が出ても、決して「犯人捜し」をしないでください。根拠のないデマや噂は不安をかき立て、被害者でもある感染者を傷つけます。いたわりと共感の心で感染者の回復を見守ってください。
- 感染防止には基本的な感染症対策の徹底に努めることが何より重要です。疑いのある症状が一定期間以上続く場合には、帰国者・接触者相談センターにご連絡ください。
島は多様であり、それぞれの事情があります。一般論だけでは「島の危機」は乗り越えられません。それぞれの島が、実情に合った対策を立てる必要があります。日本島嶼学会は、「島」を研究する専門家集団として、島のみなさんと立場をともにし、島の危機を乗り越えるために取り組んでまいります。ご相談等は、下記問合せ先にて承ります。どうか、withコロナの事態に対して最大限の注意を払いながらお過ごしください。
2020年7月27日
日本島嶼学会 会長 可知 直毅
本件に関する問合せ先:
日本島嶼学会 副会長 須山 聡(駒澤大学教授) mars@komazawa-u.ac.jp
2020 年次日本島嶼学会年次大会「要旨集」のご案内
2020 年次日本島嶼学会年次大会「要旨集」のご案内
2020 年次の日本島嶼学会年次大会は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響により、新潟県粟島での開催を中止いたしましたが、研究発表の機会を確保するため、代替として研究発表の「要旨集」を作成することになりました。粟島での大会開催、研究発表はかないませんが、日ごろの島に係る研究の成果を発表頂きたく、会員各位に周知いたします。「要旨集」への掲載は研究業績とみなされますので、ふるってご応募ください。
「要旨集」投稿の要項は以下の通りです。(ファイルはこちら)
(1) 研究発表の申込方法
「要旨集」への掲載希望者は、2020 年 8 月 20 日(木)までに発表要旨をメールの添付ファイルで2018jsis@gmail.com にお送りください(アドレス冒頭の 2018 は年号とは無関係ですので、2020 などに書き換えないようご注意ください)。
なお、エントリーできるのは、以下の条件を満たす場合に限られます。
① エントリー時点において、日本島嶼学会会員(正会員、学生会員、準会員のいずれか)であること。
② 2020 年度新入会員の場合は、申し込み時点において会費納入済みであること。2019 年度以前に入会した会員については、会費未納年度(2019 年度以前)がないこと。
③ 複数人で発表を行う場合は、少なくとも一人が上記①か②に該当すること。
(2)様式について
・発表要旨規格:MS-Word 形式(.doc/.docx)、リッチテキスト形式(.rtf)等(PDF 等に変換しないようにしてください)
・規格:A4判、横書き、11 ポイント(参考文献一覧をつける場合、9-10 ポイントも可)、1行 40 字で1 ページ40 行、和文は明朝体フォント、欧文・算用数字はTimes New Roman フォントに準拠
・枚数:2 ページ(厳守)
・余白:上段 35 ミリ、下段 30 ミリ、左右 30 ミリ程度(要旨見本参照)
・その他:最上段中央部に表題を入れてください。1行あけて3行目右側に氏名(所属)を明記すること。
さらに1 行あけて5 行目から要旨本文を書きだすこと。
*原則として、いただいた原稿をそのまま「要旨集」に掲載します。
*期限締め切り後に原稿を送付いただいても受理いたしません。
(日本島嶼学会2020 年次大会 実行委員会)
りそなアジア・オセアニア財団が調査研究助成を募集中(~07/31)
公益財団法人りそなアジア・オセアニア財団が2021年度の調査研究助成を募集しています。
助成対象は、アジア・オセアニア諸国・地域に関する人文・社会科学分野の調査・研究活動や国際会議等の国際交流活動、出版等の啓発・広報活動です。
応募〆切は、2020年7月31日(必着)です。
詳しくは下記(同財団HP)でご確認ください。
https://www.resona-ao.or.jp/project/promotion_application.html
0707琉球大オンライン講演会のお知らせ
琉球大学の藤田会員より以下の案内が参りましたのでお知らせいたします。
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来る7月7日,国際島嶼学会長のGodfrey Baldacchino先生を講師とするオンライン講演会を開催いたしますのでお知らせいたします。
詳細は下記の開催概要ならびに添付のフライヤーをご参照ください
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日時:7月7日(火)15:45~17:15
講師:Professor Godfrey Baldacchino (University of Malta)
タイトル:Let’s Try Again: Islands, Islanders and Resilience
使用言語:英語
※新型コロナウイルス感染拡大防止の為、Zoomにて開催致します。
要予約となりますので、参加ご希望の方は下記のメールアドレスまでご連絡をお願いいたします。
riis(a)riis.skr.u-ryukyu.ac.jp ※メール送信の際は(a)を@に変えてください。
琉球大学島嶼地域科学研究所 (担当:亀川)
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「第11回日本学術振興会育志賞」学会推薦候補者募集(募集期限06/01に延長)
日本島嶼学会では、「第11回(令和2年度)日本学術振興会育志賞」の学会推薦候補者(1名)を募集します。
該当する学生会員をご存知でしたら、自薦・他薦を問わず学会事務局まで御一報ください。
なお、メール件名の冒頭に[日本学術振興会育志賞]とお入れくださいますようお願いいたします。
【期限】 2020年6月1日(月)
*学術振興会の受付延長に伴い、募集期限を延長しました。
*日本学術振興会育志賞の対象者は、「34歳未満、日本の大学院博士後期課程学生(留学生を含む)」(推薦募集ポスターより)です。
詳細は【日本学術振興会育志賞ホームページ】にて御確認ください。
【日本学術振興会育志賞ホームページ】
https://www.jsps.go.jp/j-ikushi-prize/
島に行こうとしているみなさん,そして島のみなさんへ(04/28タイトル修正)
新型コロナウイルスの流行により,全国に緊急事態宣言が出されています。私たちは島を研究対象としておりますが,私たちは今,島には行きません。私たちの行動が島の安全を脅かすことを,島のことを知っているからこそ,私たちは心の底から恐れています。
島は小さくて人口が少ないだけではなく,医療・福祉・教育をはじめとする,あらゆる生活基盤が零細で脆弱です。島では,生活に欠かせないあらゆる機能が,コロナウイルスの流行によっていとも簡単に崩壊します。本土のように,ここがお休みなら別のお店に行けばいい,というわけにはいかないのです。お店が1軒しかない島がたくさんあります。連絡船の乗員が感染すると,唯一の交通手段である航路が途絶し,本当の孤島になってしまう島があります。感染者が入院できる施設は,ほとんどの島にありません。本土でならば救える命も,島では救えません。
日本島嶼学会では,島と外部との人の往来を最小限にとどめることが,コロナウイルスの侵入を防ぐためには必要と考えております。その上で以下の3点を強く要請します。
- 本土のみなさん,ご自身の安全のためにも,そして何よりも島の生活基盤を守るために,観光や旅行での来島を絶対にやめてください。いわゆる「コロナ疎開」なんてもっての外です。
- 島のみなさん,島から出ないでください。みなさんご自身が本土で感染し,ウイルスの運搬者になる可能性があります。
- ご家族の介護などでどうしても島に行かなければならないみなさん,万全の備えを整えてください。島に行ったら2週間は外出を自粛してください。
島の人びとは,いつもであれば島外のみなさんの来訪を歓迎します。みなさんの来訪は,島に新たな活気と希望をもたらし,なくてはならない産業の礎を形作っています。実際のところ,最近の来島者の減少は,島の経済に少なからぬ打撃を与えています。経営危機に瀕した民宿・ホテル,お店や会社,生活が苦しくなった人たちが島には多数います。しかし,今しばらくは,来訪を思いとどまっていただきたいのです。
日本島嶼学会はこれからも,そして今後も,島の専門家集団として島のみなさんとともに島を見つめ,考え続け,実践します。「行くな来るなコロナ」が島の専門家からの最大の提言です。コロナウイルスが沈静化するまで,どうか島をそっとしておいてください。日本島嶼学会からの,そして日本のすべての島じまからのお願いです。
2020年4月27日
日本島嶼学会
会長 可知 直毅